10月15日(火)「平和集会」 学校長の言葉
- 公開日
- 2013/10/15
- 更新日
- 2013/10/15
校長室だより
みなさん、おはようございます。
今から68年前の昭和20年8月6日、午前8時15分。人類が初めて戦争による被爆者をつくりだした瞬間です。
あの日、原子爆弾は、広島の街を一瞬にして飲み込みました。建物は壊され、たくさんの人々が、その下敷きになりました。人々は、「助けて」、「水をください」と何度も言いながら、亡くなっていったのです。それは、人間が人間らしい最期を迎えられなかった残酷な姿でした。多くの夢や希望を一瞬にして吹き飛ばされた人たちの悲しい、「闇」の世界でした。
人間はだれもが、夢と希望にあふれた、幸せな生活を送ることを願っています。しかし、68年前のあの日、広島に落とされた一発の原子爆弾は、明日へ向かって一所懸命に生きようとしていた人々の望みや願いを一瞬にして奪い、緑あふれる街並みを消し去り、多くの人々の心に深い悲しみや苦しみを残しました。
その「ヒロシマ」に、今週の金曜日から土曜日、6年生と共に行ってきます。みなさんの千羽鶴に込められた「戦争のない、平和な世界を!」という願いを、佐々木貞子さんが眠る「折り鶴の子の像」に捧げてきます。「ヒロシマ」から帰ってきて、来月に、その時の様子などをみなさんに報告しますね。
ところで、今日は、「平和な世界」をめざすために、まずは、みなさんの「身近な平和」について考えたいと思います。それは、「学校の中の平和」「クラスの中の平和」のことです。校長先生は前に、平和を壊すものは3つあると言いました。覚えていますか?
そうです。それは、戦争が生み出す「暴力と貧しさと病気」です。
みなさんの学級で友だちや先生を傷つけるような暴力はありませんか。人への乱暴な言葉使いも「暴力」です。言葉使いや服装や髪形などが乱れてくると、学級のみんなの気持ちも落ち着かなくなり、授業中に先生や友だちのお話が聞けなくなったり、教室にゴミがいつも散らかっていたり、落し物や忘れ物が増えたり、いじわるしたりされたり喧嘩がいつも起きるようなになります。これって、「平和な状態」でない、戦争です。自分だけが良くて、他の人が迷惑を受けるようなことも「平和」ではありません。
では、戦いや争い、いじめや暴力をなくすために必要なものは、何でしょうか。
それは、「相手を思いやる心」です。性格の違いや考えの違いはあっても、お互いに許し合い、理解を深め、お互いのよさを認め合っていく努力こそ、平和への糸口だと思います。「暴力ではなく話し合いを」、これは、平和のために私たちができることです。
つまり、「身近な平和」をつくることとは、けんかやいじめを見過ごさないこと、授業で、本読みや計算や資料の読み取りや実験をすすんですること、大好きな絵を描いたり、気持ちよく音楽を聞いたり、いろいろな国の言葉で笑顔で挨拶して、自分の思いを伝えることなどです。この後、各学年・学級で、「身近な平和」について話し合ってほしいと思います。