1年宿泊学習随想
- 公開日
- 2024/05/03
- 更新日
- 2024/05/03
校長室より
1年生の宿泊学習から帰ってきた日のこと。
本校職員が私に向かって
こんなことを言いました。
「校長先生!実は昨日、ホームページ閲覧者数が、
四中の全家庭数を超えたんですよ!
これは、校長先生!
記念に何か書かなきゃいけないのでは?」
いやいやいやいや。
たしかに昨年度そんなことをやってはいたけれど、
今年度はさすがにもういいでしょう。
と思ってから、今日で約1週間。
なにかうしろめたくなってきて
それを解消するために書きはじめてしまいました。笑
まあいわばこれは宿泊記念なんで、
それじゃあ、1年生のみなさんへ。
退所式で言い忘れたことをひとつ、
ここに書き残しておきますね。
今回、君たちは、
Well-beingを実現するという
大きな目標をもって自然の家へ出かけました。
そして先生からは、
「それを実現するための大切な要素である、“聴く力”を、
この宿泊学習の中で高めましょう」って、
みなさんに提案しました。
その力を、君たちは、
ずいぶんと高めて帰ってこれたなと
先生は思っています。
出発2日前の学年集会で、
開始のチャイムがなってから、
君たちが話を聴く態勢を整えるまでに要した時間、
2分50秒。
出発1日前の集会で要した時間、
この日はチャイムがなかったせいか、
さらに遅くなって4分20秒。
それが、この小旅行の中で、
集会隊形であれば、
遅くても1分かからずに、
君たちは話を聴く姿勢がとれるようになりました。
それは、退所式の時にも、
君たちの持つ、そのほかのいいところと合わせ、
成長した証として、
先生から伝えたと思います。
で、実は、
本当はその場で言わなきゃいけなかったはずの、
君たちの学年に対して感心していたことが、
もうひとつあったんです。
それは、宿泊に行く前のこと。
静かになるまでに4分20秒かかった
あの、直前の学年集会。
あの時にね、
気づかなかったかもしれないけれど、
君たちの学年の7割近くの人は、
周りがガヤガヤしてる中で、
およそ4分間、
4分間ですよ!?
ずっとしゃべらずに前を向いてたんです。
これ、すごいなって
その時からずっと思ってました。
中学時代の先生なら、それはムリです。
周りがざわついてるからまだいいか、
と思って同じようにしゃべりつづけてるか、
うるさいだまれよ!って文句言ってるか、
もうええって!ってあきれてうつむいてるか、
どれかだと思います。
なのに、前向いて黙ってじっと待つことのできる人が、
君たちの学年には、
たくさんいたんです。
これは、この学年の宝です。
すごいことです。
この、口を閉ざして4分間待っていた人が
もしあなた自身なら、
その自分の強さに自信をもって、
これからも正しいことを貫く人であってください。
あのとき、そんな周りの様子に気づかず、
しゃべり続けていた人があなたなら、
この、正しくて、強くて、
しかもあなたを責めなかった大勢の仲間を、
これからは本当に大切にしてください。
宿泊学習の2日間で、
自分をコントロールする自律の力を伸ばし、
時間をかけずに
話を聴く姿勢がとれるようになったあなたも
すばらしいけれど、
あなたがそうなれるまで、
土台となって集団を支え続けていた
7割近くの仲間たちは、
ほんとうにすばらしいと
先生は思っています。
まだこの学年は始まったばかりです。
これからも、
それぞれの足りないところを責める集団ではなく、
それぞれの良いところを認め、
その良いところを、自分の力にもして、
お互いがどんどん伸びていく集団になってください。
そして、「新しい四中」を、
君たち1年生みんなの力で
創っていってください。
創れます。
宿泊学習を「観察」した、
校長先生が保証します。
君たちには、その資質も、
そしてエネルギーも、
十分にありますからね。