学校日記

観劇会2

公開日
2012/11/16
更新日
2012/11/16

学校

『とべないホタル』
 夏を迎えた夜空を星々が美しく輝きだすころ、澄んだ水辺に茂る草木のなかを、ほのかな光の尾をひいて幻想的に飛び交うホタルたちがいます。みな夏の訪れを喜んでいるかのように舞っています。
 そうした美しい光景のなかで、幽かな光を放ちながらも仲間たちと飛び交うこともなく、静かに仲間たちを眺めているホタルがいます。楽しそうに舞うホタルたちは、思わずそのホタルに呼びかけます。「お〜いどうしたんだ」「僕、飛べないんだ」生まれたときから羽が小さく縮れていて、飛ぶことができなかったのです。
 それから数日たったある夜、いつものように飛び交う仲間を静かに眺めていた「とべないホタル」は、暗闇にうごめく大きな蜘蛛に気付きます。仲間の一匹のホタルが狙われているのです。まわりのホタルたちも気が付いたようですが、眺めているだけで助けようとする気配はありません。
 咄嗟に「とべないホタル」は、体の不自由なことも忘れて、そのホタルを助けだします。すると、まわりのホタルたちは、「とべないホタル」の勇気を讃えるのでした。
 ホタルたちは、厳しい自然にさらされながら、お互いの体験を活かしあうことで支えあい、友情の輪を広げて力強く生きていきます。