学校日記

—楽しい学校づくり−

公開日
2011/03/28
更新日
2011/03/28

校長から

本年度の終わりに 貝塚市立西小学校 校長 明石一朗
 
 かつて担任した学級に不登校ぎみの子どもがいました。低学年の頃から学級に馴染みにくく、学校生活の大半を保健室で過ごしていたようです。中学年になって私が担任することになった1学期の始業日のこと。クラス分けをした後、教室で配布物を手渡している際に「先生、帰りたい」と来ました。
実は、私も転勤したばかりの新しい学校で、朝から緊張し疲れていたので咄嗟に出た言葉が、「そうなんや。実は先生も帰りたいねん。そやから、もう帰りなさい。」でした。
ところが、その子は翌日から毎日、学校へ来るようになったのです。1学期末の保護者懇談会で「先生、あの子が自分でランドセルを開けて、毎朝、時間割り合わせる姿を見て、おばあちゃんと泣きました。」と、お母さんが言われました。
それには訳がありました。本来、彼女自身がんばり屋さんであったことと、毎朝、誘ってくれる仲の良い友だちができたこと、そして、TT(ティームティチング)で、彼女の横でずっと算数を教えてくれたY先生の存在があったのです。子どもは、毎時間の授業がわかると自信がついてきます。達成感が意欲を生むのです。
はじめから「学校に行きたくない」と思っている子どもはいません。どの子どもも楽しく学校へ行き、みんなと仲よくしたいと思っているのです。
 子どもたちに「どんな学校が楽しい?」と聞くと答えは3つ返ってきます。
「毎日の勉強がよくわかって、友だちと仲よくできて、給食がおいしいこと」
 ① 毎日の勉強がよくわかるとは、「学力向上」の課題。
 ② 友だちと仲よくできるとは、「仲間づくり」の課題。
 ③ 給食がおいしいとは「基本的生活習慣」の課題。
 楽しい学校は、「学び」と「友だち」と「生活習慣」づくりにあります。
 不健康だと気持ちが塞ぎ込み元気が出ません。人は他者のほほえみ、励まし、まなざしの中で頑張れます。そして、ぐっすり寝て、しっかり食べて、すっきり出すことです。
 最後になりましたが、これからも子どもたちの笑顔と歓声がいっぱい広がる「楽しい学校園」づくりをめざして、貝塚市立西小学校の取り組みをより一層発展させていくことをお誓い申し上げまして、年度末のごあいさつと致します。