『小倉百人一首』　007

あまの原　ふりさけ見れば　かすがなる　
三笠の山に　いでし月かも
　　　　　　　　安倍仲麻呂（遣唐留学生。唐で客死）

【口語訳】
（唐を離れるこの惜別の夜に）天をふり仰いで、
はるか遠くを眺めれば（見えるあの月は）、
（私のふるさとの、奈良の）春日にある、
三笠山に出ていた（のと同じ）月なのだなあ。

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『百人WISH』　007

ママの皿　鰤（ぶり）鮭（さけ）見れば　かすかなる　
三段の腹に　いでし肉かも
　　　　　　　　　　　　　　ぽっちゃりママの息子

【口語訳】
ママの皿に大量に盛られていたブリもサケも、
もうほとんど残っていない。
あれが肉になっていくのだなあ。
【鑑賞】
なっていくのだよ。
人体の神秘だよ。