最新更新日:2024/04/15
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晴々と巣立った6年生

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3月18日(金)よいお天気に恵まれ、卒業式が行われました。


貝塚市立西小学校 第102回 卒業式 学校長式辞

校庭の桜の蕾(つぼみ)が膨らみ、一巡の風に春の訪れを感じる今日のよき日、
西小学校を巣立っていく143名のみなさん、卒業おめでとうございます。
 今日は、みなさんの門出をお祝いするために、本校PTA会長様、地域の皆様、貝塚市教育委員会・
地元市議会議員の皆様、中学校・幼稚園・保育所の先生はじめ、たくさんのご来賓の皆様が来てくださいました。
高いところから失礼ですが、学校を代表いたしまして、心からお礼申し上げます。
ありがとうございます。

さて、卒業生のみなさん、今、みなさん一人一人に卒業証書を渡しました。その卒業証書は、みなさんが、この6年間、小学校生活を果たし終えたという証(あかし)です。1枚の紙ではありますが、その中には、
みなさんの6年間の学校生活で学んだことや培ったことのすべてが込められています。
ぜひ、いつまでも大切に保存してほしいと思います。

本日、みなさんを送り出すにあたって、みなさんの心にとめておいてほしいことを話して、お祝いの言葉とします。
ここに一つの詩があります。作者は、斉藤喜博さん。
題名は「一つのこと」です。
「一つのこと」           斉(さい)藤喜(とうき)博(はく)
いま終わる一つのこと いま越える一つの山
風わたる草原 ひびきあう心の歌
桑の海 光る雲 人は続き 道は続く
遠い道 はるかな道 明日登る 山もみさだめ
いま終わる一つのこと
斉藤喜博さんはこの詩の意味について次のように言っています。
「いま自分たちは、みんなと力を合わせて一つのことをやり終わった。それは、ちょうど一つの山に登ったようなものである。山の上に立ってみると、草原には涼しい風が吹いている。そこに立つと、一緒に登ってきた人たちと、しみじみと心が通い合うのを感じる。そこから見ると、はるか遠くに桑畑が海のように見え、雲が美しく光っている。そして、今登ってきた道を、人が続いて登ってくるのが見える。自分たちは今、一つの山を登り終わったが、目の前にはさらに高い山が見えているのだ。こんどはあの山を登るのだ。」と。
 ところで、ちょうど一週間前の三月十一日午後二時四十六分。東日本を巨大地震と大津波が襲いました。観測史上最大のマグニチュード9の衝撃!多くの家屋があった市街地は、ところどころで黒煙を上げ、津波で押し流された船舶が、あちこちでひっくり返えり、田や畑も、木材やがれき、土砂などとともに流れ込んだ海水で埋め尽くされました。また、その後の相次ぐ爆発と深刻な放射能漏れに苦しむ福島第1原発など、その惨状は目を覆いたくなる状況です。
 日本は、戦後六十五年の中で最も厳しい試練の時に直面しています。今、私たち一人ひとりができることは何か、節電や募金など、被災された皆様のためになることをできる限り行いたいと思います。
 この場を借りて、犠牲になられた多くの方々のご冥福と未だ不明の方々のご無事と、被災された皆様の一日も早い復興をお祈り申し上げます。そして、改めて、「試練に耐えた分だけ、人は、力強く、より賢く、優しくなれる」という希望を持ちたいと思います。
 そこで、みなさんの卒業にあたり、心から期待したいことは、いかなる困難・苦難にもくじけず、自分の将来に大きな希望を持ち、多くの人々と力を合わせ、たゆまず歩み続けてほしいということです。このことは、これから前途洋々たる、みなさんだからこそできることであります。みなさんのこれからの中学校生活に期待をこめて、次の言葉をおくります。
 それは、「希望を持つこと」、「決まりある生活をすること」、「仲間と力を合わせること」の3つです。
 昨年の世界十代ニュースの一つに、チリ共和国のコピアポ鉱山での落盤事故がありました。鉱山の崩落により三十三名の作業員が閉じ込められましたが、事故から六十九日後に全員が無事救出されました。この事件を世界中の人々は「奇跡の生還」と呼びました。
 しかし、地下七百メートルからの「奇跡の生還」ドラマには、次のような大きな理由がありました。
 第1は、三十三人全員が必ず助かるという希望を持ち続けたことです。助けられた作業員は、「みんなの気持ちが一つになれば頑張りとおせる。全員が必ず助けに来るという希望をもっていた」と語っています。
 第2は、毎日、規則正しい生活をしていたことです。昼も夜もわからない真っ暗な坑道のなかで、時刻を確認して寝起きや適度な運動や食事を分け合ったといいます。
 第3は、仲間との団結力です。「もし、いじめや悪口のいい合いなどのいざこざで人間関係が壊れていたら、みんなお仕舞いになる。だから、みんながチームの仲間として仲良く力を合わせた」そうです。
 つまり、必ず助かるという「希望」と毎日の「決まりある生活」と「仲間との団結」が尊い三十三人の命を救ったと言えるでしょう。このことは大変興味深いことです。今、巨大地震と大津波と放射能漏れという「三代苦しみ」に襲われている私たちにとって、最も大切なことを投げかけていると思います。
 みなさんは、これまで、お父さんやお母さんをはじめ家族や地域の方々や先生に助けられ、見守られて育ってきました。きっと、これからもそうでしょう。しかし、一生ずっと、助けてもらうわけにはいきません。いずれは、自分で生活していかねばなりません。そう考えると、中学校時代は大切な人生の準備の時期です。将来への夢をもち、目標をつくって努力してほしいと思います。
 私たちの毎日の生活では、楽しいこともありますが、つらいこと苦しいこともあります。ついつい、日々の暮らしに目をうばわれて、自分の目標を忘れてしまいます。そんなとき、先の「希望を持つ」「決まりある生活をする」「仲間を大切にする」の3つのことを心に刻んで頑張ってほしいと思います。 
 どうか、自分の将来に向かって、元気に新たな一歩を踏み出してください。
 「踏み出せば、必ずその一歩が道になる」のです。

終わりになりましたが、保護者の皆様、本日は、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。入学した頃、体よりランドセルの方が大きく感じたお子さんの姿から、こんなに立派に成長しました。お子さんを慈しみ、大きな愛情を持って育ててこられましたことに敬意を表します。また、本校の教育活動に、いつも温かいご理解とご協力をいただいておりますPTA・地域の皆様、そして、教育委員会をはじめ関係機関の皆様方に心から感謝を申し上げまして、卒業生へのはなむけの言葉といたします。
           平成23年 3月18日 
           貝塚市立 西小学校 校長 明石 一朗

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